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移住9年

この4月1日をもってオーストラリア移住後9年が経ったことになります。本当にはやっ!!って焦りたくなります。そう、私は何かに焦っているのかもしれないのですが、このところ妙な閉塞感に見まわれることもあります。ま、Mid Life Crisisと言うやつですね。

ついこの間まで、幼い子供を抱えて、子供たちと生活を守るのに必死で、多分、この国に慣れるのと、生活していくことに必死で、ゆっくり立ち止まって自分自身のことを考える暇もなかった。というより、忙しさにかまけて、自分のことを後回しにしていたと言ったほうがいいかも。

9年が経つうち、子供たちは随分成長して、心配事が減ってきたんだと思います。小さいうちは100%フィジカルに手がかかるけど、まず、手がかからなくなったし、心配事はなくならないけど、親のできることが減ってきたんだと思います。子供の自立に向けて、自分で出来るようになって行ってもらわなと困るんだけど。そう思うと、親が出来ることってやっぱり限りがあるのですね。

そこで今度は段々先が見えてきた自分たちの人生の老い先をそろそろ頭の片隅においておかなければならなくなってきたといった感じ。それもあってゴルフを初めたのだけど。

ちまちま、蕨餅を作ったり、お菓子を焼いたり、家事も、ガーデニングも少しずつ、手を抜きながらやっていますがそれでもがむしゃらにフル稼働でやってきた数年前に比べると余裕と言うよりも手持ち無沙汰な感じさえするのです。

日本の不満の多い若い世代に、未来もあり、お金も時間もあるのに何の不満があるというのかとよく思いましたが、何でもあるというのは不満の種なのかもしれません。生きる線の細さを感じます。生死の境にいる人たちにそんな不満はありませんよね。みんな生きるのに必死です。私達の親の世代には、戦争のなかで生きるのに必死だった、そんな線の太さを垣間見ます。

或いは漠然とした不安がイライラを募らせ、閉塞感に結びつくのかもしれません。子育ての不安というのはレッキとした根拠があるので漠然とした不安ではないですから、違うストレスです。
私が母親として頑張らなければ誰がこの子達を育てるのという、自分の母親としての絶対的な価値が様子を変え始めたといったところでしょう。リードしていたものを後ろから支えるようになったのです。そうして、その支えさえも最終的にはなしで生きていけるようにしてやるのが親の務めです。勿論まぶたの母として永遠の存在になるつもりではいますが(笑)
実際、きれいごとではすまない泥臭い子育ては泪あり笑いありの忙しい日々です。濃厚な蜜月が終わってみていざ、髪振り乱し、駆け抜けたあの濃さはなかなか得難いものだったなと。それと閉塞感は関係ないかもしれないけれど。あの濃さに見合うものはなかなかないと言っていいと思います。

ただでさえ忙しい子育てに移住と言うものがくっついてなお更がむしゃらにやってきたと思います。子供がいないときに夢中になって金銭的にも費やした音楽や映画や芝居、アート、って私の中では子育ての比にはならなかったといえます。子育ては尊く、重く、充実していました。まだ子育てが終わったわけではないけれど、幼かった子供たちがくれた充足感に今更ながら生まれてくれてありがとうと言う念が沸きます。殊更特筆することのない私の人生の中で一番素晴らしく、我ながら良くやったと思うのはやはり二人の子供を産み育てていることだからです。

僕ちゃんにはオーストラリアでの小学校の時の思い出がほとんどありません。慣れない英語に生活、日本ではお友達にいつも囲まれていたのに、こっちでは休み時間に木に登ってお友達を見てたと答えた彼の不憫さを思って心痛めた日が何年も続きました。彼も辛かった日々だったからなのか記憶があまりありません。ぼーっとしていて半分、夢の中に暮らしているような子供だったからかもしれません。辛さに寄り添うことは出来ても、解決してやることはできませんでした。私自身はせっせと小学校の親さんたちと仲良くなって子供を行き来させてもらうようにしたりしました。それも今となっては彼のためよりも私のためになっていたように思います。子供は自分で何とかする力を持っているんですね。結局、今のお友達は彼が好きでたまらないバスケのチームメイトです。

嫌になっちゃうことや辛いな~と思うこともいっぱいあったけど、腹を据えて移住してきてやれることを淡々とこなして、今日まできました。していないことは仮にと考えても仕方ないので、やっぱり、コレでよかったんだと思っています。なかなか上手く回っているんじゃないかと。

移住10年目。節目の年?かな。気分はUp Downするけれど。日本にいるときのように物や情報にあふれない分、コレでもゆっくりしているのだと思おうっと。always look on the bright side of life!ですね。この先もこの国で生きていくのは間違いなさそうですから。
by sonnenblumensan | 2010-04-09 00:54 | 徒然
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