厳しい世の中

彼女は、忽然と消えた我が子を探しに出かけたのか、もう2度と見る事がなくなった。
私は彼女の子の一人が何者かにやられて息絶えているのを発見した。

彼女とは数週間前に我が家の紅葉の木に巣を作った小鳥である。せっせと巣を作り始めたところから遠巻きに見守っていたのだ。
やがて、雨の日も風の日もかんかん照りの日も、彼女は巣にじっと腰を下ろして卵を温めるようになった。花に水をやる時に半径2Mほどに迂闊に近寄ってしまうこともあったが、彼女は頑なに、息を潜めるかのように、微動だにしなかった。きっと私が近づけば怖かっただろうに。

そうして、ある朝、彼女がいないことに気がついた。実は鳥恐怖症の私は確かめようにも巣の本当に近くまでは怖くて怖くて近づけなかった。そこへ雛鳥の鳴き声が聞こえた。孵化したんだ。恐らく3羽。まちまちに思い出したように頭をもたげる。写真に撮ろうにも、高いし、遠いし、、上から撮ろうとはしごを出して、3M程離れたところでカメラを向けた瞬間、私の目に飛び込んできたのは母鳥の低空飛行。もう、襲われるかと思った!!怖かった~~~。2度と近づきません!!と、心に誓った。彼女の安心の為と、私の安全の為。まさに母性本能をむき出しの母鳥に『わかるよ!子供を守りたい気持ち!!』 と、共鳴しながらその場を去った。

そんなことが有ってからたった2日後のこと。一羽の雛の死骸を発見した。元ホームステイのベア君に(背が高い)確かめてもらえば、巣は空だった。

必死に子供を守っていた母鳥を想うと切ないくらい自然界は過酷だ。猫か、もっと大きな鳥か。
それとも彼女もやられてしまったのかもしれない。

ハニーちゃんも僕ちゃんも喜んで見ていたのに。あっけない幕切れ。哀しい・・・

とはいえ、私の鳥恐怖症は直らない。今日も仕事場で遭遇した鳥が怖くて足がすくむし、突然飛び立つ鳥に心臓が飛び出しそうなくらいバクバクする。アドレナリンでまくりだよ。きっと・・・
それに低空飛行する鳥に驚き、こけてしまった。恥ずかしい・・誰も見てなくてよかった。

ビーチもいつもは大丈夫だが、小さな子供がシーガルに残り物のチップスやパンくずなどをやっているのに遭遇すると、もう、恐怖で顔は引きつるし、叫びそうになる。叫んだらきっと子供が怖がる。うちの子供たちは私が怖がるのを白い目で見る。昔はママを守って追い払ってくれたのにね。今じゃ面白がられてる。

かごの中の鳥は平気。近くに来なければ、『綺麗な鳥ね~』なんて悠長に言えるのだが、近くにこられたら、すずめでも怖い。

母鳥との不思議な(勝手な)一体感は、鳥恐怖症を克服するには至らなかった。残念。

雛鳥の冥福を祈りつつ・・・
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by sonnenblumensan | 2006-12-13 21:44 | 子育て
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