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癌と闘うということ。

五月も終わり。いよいよ明日から6月で正式に冬となります。Officially Winter!!なんて言います。
5月は高齢の高齢、いや、恒例の(というか逃れられない)誕生日があります。いや、ありました。
順調に歳を取ることができました。

メールや携帯のテキストやフェイスブックや電話、もちろんカードも、色々な媒体から色々な方から沢山のお祝いのメッセージを頂ました。ありがたいことです。

この5月に2010年に娘が王様と私のミュージカルに出たときに、同じ王様の子ども役だった一人の女の子のお母さんが33歳にしてすい臓がんの末期ということを知りました。フェイスブックで。彼女の名前はHelen Chang。 
彼女が時々、お祈りをとか。人生訓とか妙に宗教じみたポストをしてるなー。位にしか思っていませんでした。
中国人で5歳のときに両親がニュージーランドに働きに出て、祖父母に育てられ、やっとニュージーランドで暮らせるようになったという生い立ちも彼女のポストのどこかで読みました。

そして5月の上旬に、彼女の友人のポストでヘレンが膵臓癌のステージ4だということ。果敢に新薬を試し、生き延びるために戦っており、その新薬はまだ認められていないため(治験のようです)莫大な費用がかかる上に保険が利かないとのこと、そのために基金を作って募金をしていると知りました。

私の娘と一緒に舞台に出ていた子は当時7歳。今は10歳。当時数ヶ月の女の子を抱いて送り迎えをしていた彼女の2番目の娘はもうすぐ4歳。そして3人目の息子が生まれた後の検診で膵臓癌が発見されました。
肝臓にも転移していました。息子は今たった5ヶ月です。

正直ヘレンとは2-3回しか話したことはなく、よく知らない人には変わりありませんが、3人の幼子を抱え他若いお母さんの気持ちは身にしみるほど、切なく、残酷で、知ったとたんに焦りがでました。
何ができるだろうかー。哀れみや同情は多分彼女に必要ないのではないかと思いました。すぐに彼女にメールをしました。私に何かできることはあるか尋ねました。

彼女は果敢に闘っていると、前向きに治ると信じて治療を受けている、沢山の人に助けられて、高額な薬を飲むことで、1日、1日を買っているんだといっていました。そしてそのためにお金が必要だから、寄付を募っているので、私の物語を一人でも多くの人に伝えて、一人でも多くの人に知ってもらって、そして少しでも寄付をして欲しいとのことでした。

すでに寄付の活動は2-3ヶ月前から始まっていて、私が知ったその週にも寄付のためのイベントの企画がなされていました。王様と私のお母さん仲間に声をかけ、フェイスブックでも呼びかけました。
もちろんそのイベントにも行きました。知った人は誰もいなかったけれど、みんなへレンを助けたいというポジティブなエネルギーが満ちていました。

まず、BBQで食べ物と飲み物を買い(これらが全部寄付されます。)蚤の市で買い物をし、シークレットオークションで出品されているものをオークションで落とします。
高額な家具や、絵、ギターや、宿泊券など、へレンを取り巻く人たちが色々なところから寄付で集めてきて、それをオークションで落としてもらって、全額寄付するという仕組みです。

ワインも買いました。ネックレスもオークションで落としました。食べ物もいっぱい買いました。そして私がヘレンからもらったポジティブなエネルギーは、お金には代えられない貴重なものでした。
善意で満ちた空間というのはこんなに’気持ちがいいものなのかとも思いました。

彼女自身、口に入れるもの全てに気をつけて健康食で乗り切って、毎日薬で命を買って生き延びることに執着して頑張っていると言っていました。

そして、私は強いし乗り越えられる、他の人でなくて私でよかった、私なら乗り越えられるから。とも言っていました。力強い生きる意志に感動すら覚えます。そこには哀れみや同情だけでは集まれないポジティブな意志が集まっていました。

今から7-8年前に子宮がん検診で子宮の中にポリープが発見されて調べてもらった事がありました。当時小学生だった、眠った子どもたちの頭をなでながら、この子達を残して死ねない、癌でありませんようにと結果が出るまで祈ったものでした。母親ならば誰でも、幼い子どもを残して死なないと思っている思います。幸い私はこうして当たり前のように歳を重ねることができ、また子育てを通じて全力で生きてきたと自負できる幸せな環境にあります。

当たり前のように歳を重ね、多くの人にお祝いを頂き、歳をとりたくなーいなんていったら罰が当たります。
崇高なポジティブなエネルギーは卑しい人を寄せ付けない。そんなことを会場で感じてきました。
卑しい人、いやらしい人、腹立つ人が回りにいるということはそういう気を自分が持っているンだなーと、改めて思った誕生日でした。

義父母、義弟、甥や姪がスイスから電話をくれてHappy Birthdayを歌ってくれました。
母からもお祝いの電話がありました。感謝の日。産んでくれた母に、命を繋いでくれた祖先に、夫の親に。

子どもたちも一生懸命お祝いをしてくれました。
ひとつとしとった?というカードをあけると、え-じゃないかえーじゃないか よいよいよいよいとPOP UPするクマさんのカード、空けたとたんに二人で歌って踊ってました。ま。楽しい家族で、ありがたやー。


今日もHelenにポジティブな祈りを。
寄付金の送付先は以下のとおりです。

To donate towards Helen's Appeal -
"Holland Samuel Samson Durosoy Chang Helen Qin Yulan"
BSB 013225 Account No 382692013.
This will go directly to Helen and her family.
Every little bit helps!
Please support this Helen's Appeal - Cancer Awareness in Young Mothers.
by sonnenblumensan | 2013-05-31 23:18 | 徒然
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