神事

和太鼓を叩いたのは何年ぶりだっただろうか。

幼い頃、お宮さんと呼ばれる、村の氏神の祭りでいつも太鼓を叩いて遊んでいたっけ。村の寄り合い(Meeting)が始まる30分前には鉦(かね)をならして時間を知らされた。その寄り合いが始まる合図は太鼓だった。
小さな村の寺には鐘撞き堂は無く、隣村の大きな寺からの鐘の音が、夕刻の家に帰る時間を知る手立てだった。そんな田舎の時間の流れ方が大好きだった。

村人は氏子であり、神事をこなし、また寺の門徒でもあり、仏事も行った。何の説明も無く、父母の傍らで自然に覚えた多くの宗教的行事。意味を知るごとに後から興味深く思ったものだ。


私たちの結婚式も神式だった。羽織袴のダーリンと白無垢で結婚式を挙げた。キリスト教徒でもない私が日本で式を挙げるのに、教会は必要ない。君の宗教で日本式にしよう。(ま、両親を喜ばすためもあったけど)と言うのがダーリンの主張で、あえなくウェディングドレスを着ることも無く、白無垢と自前の訪問着(着物)だけとなった。

式は厳かにに巫女さんの舞と歌と。宮司さんからの祝詞と。
お義父さんは柏手を打つのが他の人よりどうしてもワンテンポ遅れた。何が起こっているかわからず、見よう見まねでやっていたから。ダーリンの三々九度はお代わりもしそうな勢いでごくごくのんじゃうし。結構笑える結婚式だった。家から出る前、仏壇の前で両親にあいさつするときに『お父さん、お母さん今までお世話になりました』なんて神妙に両手をついて頭を下げたとたんかんざしがボトンと落ちたり・・。(本当は泣く場面だよ~~)ダーリン指輪を忘れても私の乗った車は戻れず(出もどりになるから)叔父に取り行ってもらったり。。(だいたい結婚指輪を、忘れるかぁ?)ハプニングがいっぱいの結婚式だった。その夜はプールバーで友人を招いてのパーティにした。結婚記念日、昨日の今日でちょっとしみじみ。。。

和太鼓を叩いたのはなんとハニーちゃんの小学校でTaiko Drums and Fulutes of Japanというコンサートがあった。たまたましごとがOFFになったので行ってきた。
りんどう太鼓を主催されている日本人のトシさんとオージーの女性がパフォーマンスをしてくれた。オージー女性はまた尺八の名手でもあった。21年前に日本に行って尺八の虜になったそうだ。横笛も披露していた。祭り太鼓、ソーラン節など、懐かしい響きに大いに楽しんだ。おかげ様でご指名を受け子どもたちの前で太鼓を叩く羽目にもなった。
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太鼓の響き、笛の音、鐘の音はおそらく私自身に染み付いているだろう日本のリズムなんだと思う。懐かしく、心地よい。敢えて言えば、日本人の血か。

トシさんが『オーストラリアに教会があるうように日本には神社があります。太鼓はお祭りなど聖なる行事に使われます』と英語で説明されていた。

日本人の遺伝子に組み込まれているのかも知れないが、雅楽は荘厳さを持ってして有りがたさをも感じるし。また懐かしい。私が神事をそれとなく知っているが詳しくは分からないように、キリスト教をバックグラウンドに持つ人々も皆が詳しいわけではない。反対に小さいころから当たり前にあったものは肌で覚えている物だが、異教は勉強しなくてはわからない。

祭り、初詣、結婚式、初宮参り、七五三さん。小月命日、おとりこし、法事、葬式。神事と仏事と共にあった私の生活はここにはない。でも私の心の中にはある。神も仏も・・・
そういった行事がここではイースターであり、クリスマスでありハロウィンになるのだ。
さて、私の子供たちはどうするかな?とりあえず、自分を信じていてもらいたい。
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by sonnenblumensan | 2007-04-26 22:18 | カルチャー
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